酸蝕症ネットワーク準備中
酸蝕症ネットワークの設立趣旨酸蝕症はう蝕とは異なり、細菌感染を伴わない歯質の溶解による歯の実質欠損です。う蝕や歯周病の予防が普及し、かつ高齢化が進む現代社会においては、人々の残存歯が多く、酸蝕症に対する予防と適切な対応が求められる機会は著しく増えています。しかし、歯科領域において酸蝕症に対する対応は十分とはいえません。修復処置を要するような症例では、従来の手法により健全な歯質をさらに削除してセラミックス修復がなされることも多くみられます。
優先されるべき病態の把握や原因に対する対策がないままに、こうした健康な歯質をさらに失くしてしまうような修復処置のみが行われることもあります。その結果として、その後の治療対応はさらに困難となり、歯の喪失にもつながりかねません。
近年酸蝕症の病態や診断に関しては、多くの情報が得られています。また、修復法についてはMID(最低限の侵襲による歯科治療)の普及により、直接法によるコンポジットレジン(CR)による形態や色調の回復が可能となっています。私たちはすでに長くCRにより、非侵襲的で審美性と耐久性に優れた修復を提供し、多くの患者さんに喜ばれてきています。
このような取り組みは酸蝕症に対する取り組みのスタンダードとして、患者さんの口腔保健の維持と向上に大きく貢献できると確信しています。
こうした取り組みをより多くの患者さんに享受していただくことができるよう全国どこでも患者さんの要望にお応えできる歯科医院の情報提供を目的として本ネットワークを立ち上げました。
以上の設立趣旨で目下ネットワーク設立を準備しています。
2023年01月21日 06:30