なるべく歯を削らないMI治療
「むし歯は除去するが、健康な歯は削らない」医科の手術でもなるべく小さな切開の術式に移行しています。しかし、歯科では型を取って作る補綴物が多いために、どうしても健康な歯を多く削らなければなりません。補綴や審美歯科ではCAD/CAMで製作された光学印象またはスキャナーと呼ばれる従来の型の取り方ではない方法も行われております。CAD/CAMで作られた補綴物は一見コンピューターを用いた画期的な方法に思えますが、健康な歯を削る量は金属を用いた従来の方法よりも多くなります。実際には1.5mm以上の厚みが必要なために、その厚み分、健康な歯はむし歯であろうがなかろうが削られることになります。
むし歯だけ除去して、除去した穴だけを修復するのが理想です。そのように、最小限だけ削って治すことが、日本のメーカー(クラレノリタケデンタル社)(トクヤマデンタル社)による歯科用高性能接着剤と新開発コンポジットレジンを用いて可能になりました。
1回治療 コンポジット治療
接着剤は現在メガボンド2(クラレノリタケ社)を多少の操作の難しい点はありものの、当院ではメインで用いている優秀な接着剤です。その接着強さは正確に使えば人間のエナメル質と象牙質がついている強さを大きく上回ります。そして、その上にコンポジットレジンを接着させると、ほぼどのような歯の形と色にもできます。つめる、かぶせる、色をきれいにする、歯並びを整える、すき間をうめるばかりか、歯のないところに歯を作ることも可能です。しかも、全く削らずに。
コンポジット治療症例写真
酸蝕歯で薄く、短くなった歯を削らずに治したケース
酸蝕歯治療20年の院長による治療
大病院では患者さんが医師を選ぶことは紹介がないとできません。東京医科歯科大学歯学部附属病院も総合診療科で診た後、各科に回され担当医が決まります。多くは医員か大学院生が担当しますが、幸運であれば助教以上で、しかも治療が上手な先生にあたることもあります。一般の大型歯科診療所や多くの分院を持つ歯科医院も複数の歯科医師のいる医院は診断能力、技術、知識のバラつきがあります。
海外では担当歯科医師によって、費用が異なる場合が多いです。お隣の中国では歯科医師を指名すると指名料金がかかる場合があります。技術や経験が違っても費用は同じ、教授がやっても研修医が診ても学生が診ても同じ費用であれば、当然患者さんは上の先生を希望しますが、日本で医師の選択は患者さんの方からはできません。
どちらが良い制度か公平かは議論があると思います。しかし、現実には、患者さんは知り合いや紹介などを利用されて、少しでも信頼できる医師に診てもらいたいと思う方も多くいます。
当院では酸蝕歯治療20年、長年東京医科歯科大学歯学部部付属病院の臨床教授をやっていた院長が治療を担当し、予防は歯科衛生士という役割を明確にしています。